We’ve updated our Terms of Use to reflect our new entity name and address. You can review the changes here.
We’ve updated our Terms of Use. You can review the changes here.

ジ​カ​ン​ヒ​ョ​ウ

by IHONO

/
  • Streaming + Download

    Includes unlimited streaming via the free Bandcamp app, plus high-quality download in MP3, FLAC and more.
    Purchasable with gift card

      ¥1,000 JPY  or more

     

1.
【ジカンヒョウ】  あまりに簡単に  時間を考えすぎてしまったの  何億年先の星が  疑いもなく光っている  今はもう聴こえない  君の言葉は  笑い声だけ残して  色あせた   いつ   ドコデ   今は   午前   五時   すぎ  余白の多いホームで  老いてまだ  何かを待つ人  私は  私は待てなかった  ただ単純に月日だけをかさねていた  私は  明けるかどうかわからない朝であっても  何も想わない   午前   五時   二十二分   始発   見送る  明けかけた空に  かろうじて星はみえている
2.
墓標 02:53
【墓標】  煙突はそこに立っていた   夜は星を背に  朝は雲を背に  夕は陽を背に  立っていた  煙は昼に吐かれたが  煤は風にまかれたが  今はもう終わってしまった  海底に突如現われた骨格が踏み付けられる残酷  誰も思い出さないことが  一番の悲しみ
3.
特別な日 04:07
【特別な日】  いっぱい いっぱい 笑ったから  たくさん たくさん はしゃいだから  今日はゆっくりねむろう  今日はゆっくりねむれそう  いっぱい いっぱい お話ししたから  たくさん たくさん 君の瞳見たから  今日はいい夢見よう  今日はいい夢見れそう  僕はね そんなにうまく笑えないけど…  僕はね あまり涙を見せたくないけど…  いつも笑いますか  たまには泣きますか  いっぱい いっぱい 笑ったから  すこしだけ ほんの少しだけ 泣きたいと思います
4.
フウシャ 04:08
【フウシャ】  セルロイドの風が  新緑を  知らせます    からっぽな僕の心は  ただからなだけで  何も受け入れる気には  なれないのです    昨日届いた手紙はまだ  開けられないままで  楽しかったよ 嬉しかったよなんて  とてもいえないのです      頬をなでる風が手招きしても  僕だけ取り残されたようで  ただ空が青いだけでは  今は喜べないのです     君と過ごした   日々が   とてもささいで   とてもすきでした    セルロイドの風が  窓辺に何かを知らせても  僕はまた吹き返すだけ
5.
立夏 04:01
【立夏】  花筏浮かべて 渡って行く春  太陽はただ眩しいだけでなく  優しく照るのだろうか  今日の雨はまだ  僕を変えやしない  暦の上に夏が来て 終わってゆく春  目の前まで迫って果されなかった再会は  誰のためのものだったのだろう  今日の雨はまだ  僕らを変えやしない  あの山をこえてもう 風は吹かない  君の体温だけを頼りに今を生きてるのは  あまりに不自由なことだろうか  この雨が止んでも  僕は変わりゃしない  夏は僕を待ってないし  僕も夏を待ちやしない  ただ君の体温に溶かされてしまいたいだけ
6.
おやすみ 03:47
【おやすみ】  さよならは おやすみのよう  また明日 会えそうな今日に おやすみ  またいつか 会えそうな人に おやすみ  なつかしい花の香りにつつまれた眠りの中へ  確かにやってくる眠りの中へ  これから いくつの さよならを  これから どれだけの おやすみを  僕らは口にするのだろう
7.
星の尾 03:41
【星の尾】  ほつれた糸で吊された星々(ほしたち)が  一斉に糸を切った  その無数の星の輝きの行くはてより  残された糸  つながれていたその先  理由(わけ)を知る人の声がききたい
8.
【どろどろの木】   どろどろの木にはあらゆるものが引っ掛かります。   小さな虫 大きな惑星 水も風も    ささやかに咲いた花も、   わたしもときどき引き寄せられてしまう。   その引力に、   例えば大きなもののようにゆっくりと   例えば小さなもののように刹那に   この身を溶かされてしまいたい。   焼かれた犬を思い出しながら...。   熱くも寒くもないところで   わたしは生きていきたい。   人としてでなく、
9.
【春方】 
 春方に君と腰かけて  いつかの夏を見ている  海開きの知らせが  ニュースに遅れてやってきた午後に  おばさんの笑顔があたりまえとなった夏    黙り込んだ寒さは  知らないうちに去っていったわけでなく  サイレンの音のようにくり返し 消えていった    春方に君と腰かけて  いつかの夏を  決してくり返さない夏を見ている
10.
03:52
【街】 
 明日の天気を気にかけて
  通りすがる街 
 真夏の午後なら夕立を予測し 
 太陽の一服に見上げる空
  興味のあるのはそんなこと  あの子の不機嫌気にしながら 
 手を引く街 
 真夏の夜なら熱帯夜を予測し
  下がらない体温のままみつめあう二人 
 どうにかしたいのはそんなこと   通りすがりの終焉の時  気に留めない言葉の多さに 
 街は今日もひっそりと 
 誰かのいなくなる準備をします
11.
冬の日 04:08
【冬の日】  帰り道は学生たちでいっぱいで  この冬一番の寒さだというのに  笑顔もちらほらみかけます  出雲路橋(いずもじばし)の上で  誰かの邪魔をしないように  背中を小さくすぼめながら  川辺をいつかの風景とかさねます  「久しぶりだね」  「元気だった」  「どうしてた」  こんな冬の日が  大好きだっていったこと  君はもう覚えていないのかな  よく晴れたとても寒い日のことです  「久しぶりだね」  「元気だった」  「どうしてた」  ポケットに入れたままの手は  あの時と同じで  何度も何度も手を振ろうとしたけれど  人ごみで君を見失った時のことです  「お久しぶりです」  「お元気ですか」  「どうしてますか」  帰り道は学生たちでいっぱいで  この冬一番の寒さだというのに  笑顔もちらほらみかけます
12.
【銀のスプーン】  銀のスプーンはわたしの夢を  ひとつすくってどこかへ隠した  銀のスプーンはわたしのこころを  浅く何度もそぎ取った  スープ皿の上には淡白な憧れだけが残った

about

Poetry Reading Music Album

credits

released September 4, 2022

©THE IHONO BRAND.

license

all rights reserved

tags

about

IHONO Aichi Prefecture, Japan

contact / help

Contact IHONO

Streaming and
Download help

Report this album or account

If you like IHONO, you may also like: